はじめに:カサンドラ症候群とは?
カサンドラ症候群とは、主に発達障害のあるパートナーを持つ人が
「理解してもらえない」「共感が得られない」という孤独感や無力感から、心身に不調をきたしてしまう状態を指します。
たとえば、ADHDのパートナーが繰り返す突拍子もない言動や、突然の予定変更、忘れ物、感情のアップダウンなどに対して、毎回こちらが調整役・受け皿になることで、次第に疲弊していくのです。
その結果、自己肯定感の低下、パニック発作、抑うつ傾向や無気力感、疲労感や倦怠感などが症状として現れてきます。
ADHDの特徴である「思いつき発言」は「カサンドラの種」です。
僕も妻の思い付きの言動によって自分が取り残されたような感覚になることがあります。
カサンドラ症候群にならないよう日頃意識していることを共有しますので参考にしてみてください。
けえすけが意識していること
【理解する】ADHDの“思いつき”はアイデアのビッグバン

ADHDの人の脳内は、まるでひらめきの爆発が連鎖しているかのよう。
突然「来週、旅行いかない?」とか「仕事辞めて独立しようかな」と言ってくることもあります。
これらは、計画的な提案というよりも、瞬間的な思いつきであることが多いです。
一方で、それを聞いたパートナー側は、「え?今突然?」「無理に決まってる…」と戸惑い、ストレスが溜まる原因になります。
でも、その発言をすぐ否定するのではなく、まずは一歩引いて受け止めてみましょう。
こんな声掛けがおすすめです
- 「なるほど、そう考えたんだね」
- 「ちょっと面白そう。具体的にはどんな感じ?」
一度しっかり話を聴くことで、本人の中でもアイデアが整理され、現実的な形に落ち着いていくことがあります。
【見極める】対応するタイミングを選ぶ
ADHDのパートナーの思い付きを毎回真に受けているていると、こちらが疲れてしまいます。
そこで必要なのが、「今は対応するタイミングかどうか」を意識して見極めること。
対応しない時間をつくる
- 家事をしているとき
- 趣味に集中しているとき
- 入浴中や就寝前などリラックスしたい時間
よくこんなことがあります。
ゆっくりお湯につかっているところに
ガラガラガラ(風呂場の戸が開く音)
ニッコニコ妻登場
妻「あのさ、いいこと思いついちゃった~」
僕「そうなんだね~(い、いま…?)」)
こういった場面では
「今ちょっと手が離せないから、あとでゆっくり聞かせてね」
と一言伝えることで、自分のペースを守ることができます。
反応を「しない」のではなく、「あとにする」と伝えることで、相手にも配慮を感じてもらえるでしょう。
妻にとってアイデアを表現できないことは息ができないことと同じなようです。
妻の感情の抑圧につながり夫婦間の大きなトラブルにつながることも考えられます。
だからこそ、こちらもなるべく負担のかからないタイミングで聴くことを意識しています。
【楽しむ】乗れるときは思いつきに乗ってみる
余裕があるときは、あえて相手のアイデアに乗ってみるのもおすすめです。
突然の「海見に行かない?」「焼き肉行っちゃお!」といった提案も、
自分が受け止められるタイミングであれば、ちょっとした冒険として楽しみます。
これは相手にとって「自分の発想を受け入れてくれた」「一緒に楽しんでくれた」という喜びにつながり、安心感と満足感を与えることになっていると感じます。
もちろん、常に応じる必要はありません。
あくまでも、「こちらに余裕があるとき」だけでOK。
そのメリハリが、無理のない関係性を築くカギになります。
まとめ:自分をすり減らさない関わり方を
ADHDの特性と向き合うには、相手への理解だけでなく、自分自身のケアも欠かせません。
「なんとかしてあげなきゃ」と思い続けることが、カサンドラ症候群のきっかけになることもあります。
- 無理にすべて受け止めない
- 自分の時間を守る
- ときには相手の世界を一緒に楽しむ
この3つの視点を取り入れることで、パートナーとの距離感も心地よくなっていきます。
そして、もし心身の不調が続くようであれば、我慢しすぎず精神科やカウンセリングを利用することも自分を守るための選択肢です。
パートナーとの関係は、どちらかが我慢し続けるものではありません。
相手の特性を理解しつつ、自分自身を大切にする関わり方を、少しずつ見つけていきましょう。
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