愚痴ってすっきり、聴いてげっそり
発達障害の特徴でしょうか。区切りがつけられないことから愚痴が長くなってしまうことが多々あります。
妻(以下「おおこ」)は職場での人間関係や空手道場の親御さん、指導者との関係も紆余曲折ありながらも良好に保っています。
しかし川をせき止めれば水は行き場を失い、やがて決壊するでしょう。
おおこの感情も同じで、定期的に感情があふれてしまうことがあります。
えらいことに職場や道場などの外の社会ではあふれさせたことはないようです。
必ず家庭内で決壊できるよくできたダムなのです。
あふれた時にはよく私に愚痴を吐きます。
これが1時間以上続き、しくしく、えんえん涙が出てすっきりするまでがセットです。
抑えていた感情が言葉と涙となって外に出てようやくすっきりするそうです。
日によって僕も疲れていたり、同じように悩みを抱えている状態の時もあります。
おおこの話を受け止めきれず「めんどくさい」「それは違うだろ」と言う気持ちが表に出てきてしまい喧嘩になることも多かったです。
今回はそんな長くなりがちなパートナーの愚痴とどのように向き合っているのか個人的な経験をもとにまとめてみました。
ADHDの特性が愚痴を長くする理由とは?
発達障害、特にADHDを持つ人にとって「愚痴が長くなる」現象には、いくつかの心理的・認知的な背景があるようです。
- 感情の調整が苦手(情動調整障害)
ADHDの特性のひとつに、「感情のコントロールが難しい」ことがあります。
強いストレスや不満を感じると、それが心の中でループしやすく、外すことでなんとかバランスを取ろうとします。
→ 愚痴自体が感情調整の手段と言えます
- 頭の中がパニック状態になっている
ADHDの方は頭の中が常に思考でいっぱいだったり、混乱しやすい傾向があります。
そのため、自分が何を感じているのか、相手は何を言っていて、何を言っていないかなど感情や事実があいまいになっているケースもあります。
→話すこと自体が「自分の考えを整理する手段」
- 話題の切り替えが苦手
ADHDの特性として「話題が堂々巡りする」「同じ話を繰り返す」ことがあります。
これは本人の意図ではなく、脳のワーキングメモリ(短期記憶)に関係しています。
→ 感情が再燃してしまい、終わった話にまた戻ってしまう。
「聴く力」が夫婦関係を救う理由
1.「ただ聴く」
これにつきます。
「以前も同じような話をしていて結論が出ていた」「それは君にも落ち度がある」
そう思うこともあるでしょうが、まずは「聴いてくれている」という安心感を与えることが大切です。
相手はパニック状態にあります。ここで自分のエゴを出してしまうと相手の心にさらに負担をかけることになります。
大量の荷物を抱えてこれ以上持たない…という人に「あ、これ落としたよ。ほいっ」とスリーポイントシュートをかますようなものです。
これで私は幾度となく喧嘩をしました。スリーポイント決めたくなる気持ちはわかります。
決めれば気持ちいいですからね。
しっかり聴くことで起こること
- 脳内が整理される
- 気づき成長につながる
- 聴いてもらえているという確信が持てる
- 愚痴の回数が減る…etc
どこまで聴けばいい?けえすけの気づきと変化
ほんとにそうです。「いつまでこれ続くのかな…」何度思ったことか。
僕がおおこの愚痴や悩みを聴く中で気づいたことがあります。
それは私が聴くに徹したとき、おおこ自ら答えが出せる瞬間が生まれてきた
ということです。
私は愚痴を聴く目的をスリーポイントシュートのような気持ち良い指摘をきめるためではなく、相手の気づきや成長に切り替えることにしました。
「言葉にする」という行為が滞りなく達成されたときに人の心は成長するのだと感じています。
悩む→言葉にする→気づく
この心の自浄作用を繰り返すことで人は成長していくのだと思います。
PS.筋トレと同じですね。
(筋肉に負荷をかける→筋繊維が壊れる→より強く太く修復される ※諸説あり)
「聴く」は普段の会話の積み重ね。話すことも大切。
この「聴く」の効能は日々の積み重ねがものを言います。
普段から相手の話を聴くことができなければ、相手がパニックになっているときはなおさら聴くことは難しいです。
ひたすら聴くといっても人間の心の耐久力はそこまで高くありません。
「いつも自分の話はは聴いてくれないのに」「なんで自分だけ」
そう思ってしまうのが人間です。
耐久力を上げるのではなく、日ごろから養うことが大切だと感じます。
どのように養うのか。それは相手に聴いてもらうことだと思います。
「聴く」という行為は2人の関係の延長線上に存在している点にしかすぎないと思います。
日ごろから「聴けているのか」「話せているのか」もしできていないならどう働きかけるべきなのか。
まずはそこに注目してみていくことが一番の鍵かもしれません。
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