発達障害の当事者にとってメンタルの波とどう付き合うかはとても大きな課題だと思います。
しかしどうしてもうまく対処できずメンタルがダウンしてしまうこともありますよね。
対処するには体力だったり、時間だったり、環境だったりいろんな要素が必要です。
そのため周囲の対応はこの波を越えるための非常に重要な鍵になっています。
しかし使う鍵を間違えてしまうと不調の悪化や喧嘩の扉を開けてしまうこともあります。
間違った対応をしてしまい喧嘩に発展してしまうことが何度もありました。
そんな失敗を重ね泥をすすりながらもただでは起きない気持ちで掴んだ3つのポイントを紹介していきます

正論の押し付け
ADHDの妻が落ち込むとき「それ前にも言ったじゃん」「もう済んだ事じゃん」ということが多々あります。
これはそのまま伝えていしまうのは一番楽なのです。
しかし「それが伝わるなら」という前提がある場合です。
「そんなこと言っても仕方がない」と落ち着かせることができないからこそダウンしているという前提をこちらは理解しておく必要があります。
言ってしまいがちなNGワード
- 「もう済んだ話じゃん」
- 「それ今どうでもよくない?」
- 「そんなこと言っても仕方ないじゃん」

相手の感情の否定
メンタルがダウンしているとき「悲しい」「つらい」が表出できずに怒りとなって表れてしまうことがあります。
時に理不尽に怒りを向けられてしまうこともあるでしょう。
その時、怒ってしまうことを否定することは悪手です。
ヒートアップする未来しか待っていません。
理不尽だなと思っても真に受けず一歩引いて安心させてあげましょう。
「ほんとはつらい?」「悲しかった?」と一言かけてあげるとほんとの気持ちに気づいて早く落ち着けます。
怒りの感情を向けられてこちらもイラっと来てしまうこともあるでしょう。僕もしょっちゅうあります。
そんな時は「怒りは2次感情」という言葉を意識してみてください。
人はストレスを受けるとまず「1次感情」が湧きます
一次感情:悲しみ、不安、つらい、苦しい、さみしい、虚しい、嫌だ、疲れた、恐れ、嫌悪
怒りや絶望などといった二次感情はこういった一次感情が積み重なることでその上にコーティングする形で表れるものなです。
妻はこの一次感情をキャッチすることが苦手でうまく表現ができないことがあります。
突然起こりだしてしまうこともあり、以前は私もどうしていいかわからず怒りで答えてしまうこともありました。
しかし妻から「本当は怒りたくない」「こんなことで起こってしまう自分を殺したいとさえ思う」
という言葉を聞いて怒りを聞き、怒りの奥にある「悲しさ」や「辛さ」をしっかり表出させてあげたいと思うようになりました。

パートナーが怒りを抑えられないときにかける言葉
- 「大丈夫だよ」
- 「辛かったね」「悲しかったね」
- 「もやもやしているところを詳しく聞かせて」
妻はお腹をさすってもらうと落ち着くみたいで、崩れてしまっときはお腹をさすりながらこれらの言葉をかけてあげています。(もしパートナーやご家族に同じ気質があれば触ってもらって落ち着く箇所を教えてもらうといいかもしれません。)
その間、少し乱暴な言葉や感情が粗ぶってしまうこともありますがそれも必要な行程と考え受け止めることが必要だと感じています。
大抵、一通り言葉が出て、涙を流すとすっきりして落ち着くので、パターンを知っておくのも大切です。
ルーティンの優先
さて、だいぶ理不尽なことを言います。
パートナーがメンタルダウンしているとき、特に怒りに発展してしまっているときは「すべての優先順位は相手に寄り添うことに切り替わる」
僕はこれを肝に銘じています。
分担していた家事、風呂の順番、趣味の時間これらはすべて後回しです。
めちゃくちゃ理不尽ですよね。私も初めは許せませんでした。
身勝手に怒って自分の時間を奪われるなんて認められませんでした。
だからこちらも不利益を受け入れられず感情をぶつけてしまう。
どんどんヒートアップして家を飛び出すこともありました。
こうなってしまうともう「自分の時間」などと言っている場合ではなくなります。
だから自分のためにも相手が少しでも楽になるように寄り添ってあげることが第一優先になるのです。
考えてみてください
泳ぎ方も知らないのに真っ暗な嵐の海に放り出されたとしたら何を感じますか
きっと恐ろしすぎてパニックになると思います。
発達障害を持つ人にとって感情の波にのまれるというのはまさにそのくらいつらいことなのではないでしょうか。
妻が崩れてしまったときに後回しにしていること
- 家事の役割分担(洗い物やお風呂掃除)
- 入浴タイム
- 余暇活動(趣味やYouTubeなど)
家事に関しては余裕があるときは妻の分までやります。(無理はしない)
これも妻が落ち着ける要因になるからです。
しっかり別の場面でお返ししてくれるので、信頼関係が根底にあるためできるファインプレーだと感じています。
なので決して無理してやることではないことは言及しておきます。

まとめ
以上3つのポイントを紹介しました
- 正論の押し付けをしない
- 相手の感情の否定をしない
- ルーティンの優先をしない
きっといきなりこの3つを完璧にやることは難しいと思います。
僕もここまでたどり着くのに何度も妻と衝突しました。
発達障害を持つ人を支えるのには少し慣れとスキルが必要なのかもしれません。
ですが相手がどんな特性を持っていようとお互い与えあって生きていることを忘れず
辛い時には全力で支えあえたらいいなと思っています。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
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